駅近のイトー〇ーカドーで個包装菓子の大袋を買い、早めに店に入って17時の開店を待つまでの時間。
ひたすら怖かったです。
レンタルルームではなく既存のバー(イベント開催に特化したお店ですが)を借り、初めて1ドリンク制で開催する催眠カフェ。これまでのクローズド空間とは違って不確定要素が多く、まさに「蓋を開けてみなければわからない」、その場での対応力が試される運営となります。まさか自分が(一日限定でも)店長と呼ばれる日が来るとは。
心の拠り所となったのは、「次も行くからね」と言ってくれていた前回の参加者さんたち。そしてTwitterで「行きます」と表明してくれていた方々。でもなによりも、「皆さんが食べるものが要るだろうから」と、ファミレスでオードブルのテイクアウトを買ってきてくれた馴染みの掛かり手さん。彼女には営業中のおつまみの手配や場の盛り上げ、席の調整など、様々な形でお世話になりました。ありがとね。
そして17時を過ぎ、ぽつぽつと参加者さんたちがいらっしゃいます。初めましての掛かり手男性さん、お名前は聞いたことがある凄腕の掛け手さん、さらに催眠界隈で知らない人はいないという大御所の術師さん…。
個人名を出さずとも、おそらくイニシャルだけで誰かということが分かってしまうので、ここではできるだけぼかした書き方に徹したいと思います。
始まってからしばらくは、それぞれカウンターやソファ席でゆっくりとグラスを傾けながら、距離を測りつつぽつぽつと語る感じでした。「ちょっとまったりした会だね」と苦笑しながら。
実はこう言われるのがいちばん怖かったのでした。参加者さんからつまらないと思われたらどうしよう、と。
盛り上がるカフェと謳っていながら、全然盛り上がらないじゃないか。主催は何をしてるんだ─。そう思われたら失敗です。この次はもうないかもしれない。
参加者さんたちの自由な会話を邪魔せず、できるだけ黒子に徹して会を運営しようという方針を定めていたのですが、まったく何もしないと怠慢と思われてしまう…。その葛藤は常に抱えていました。
そんな中で本当にありがたかったのが、お知り合い同士の術師さんたちが自然に会話をつないでくださり、それに他の人たちが聞き入る形がなんとなく出来上がっていったことです。特に大御所さんは豊富な経験を紡ぎだすように語ってくださり、皆ふむすふむと聞き入ることに。
まったりした会はまったりながらも、静かに進んでいきました。
そんな状況が変わったのは、少し遅れると言っていたとある掛かり手女性さんが来店してから。
以前から術師の皆さんの会に参加して、その掛かりやすさでいろんなエピソードを有するその方は、まさにムードメーカーとして場を温めてくれたのでした。
笑い声が増えてきたのを機に、ここぞとばかりに僕が動きます。
「では、ここで皆さんお伝えしていた通り、お題の発表に移りたいと思います。お一人一つずつ、このテーマについて語ってください」
そう言って出したお題が「誰かに話したかった催眠話」。
このメンバーで話すネタに困るはずがない。その予想通り、お一人ずつ濃い話をしてくださいました。
こうして盛り上がりを見せつつ会は進み、当初の不安をよそに店内は熱気を帯びてきてました。
そして信じられないことですが、やがて入りきれないくらいの参加者さんたちで、店内はいっぱいになるのです。
そして信じられないことですが、やがて入りきれないくらいの参加者さんたちで、店内はいっぱいになるのです。
(2/2に続く)